【6月1日 AFP】サッカーハンガリー1部リーグではこの週末、新型コロナウイルスの影響により約2か月ぶりにファンを入れた状態で試合が行われた。欧州の他リーグは無観客での再開となっており、観客を入れて試合が開催されるのは同国が初めて。

 同国サッカー連盟(MLSZ)は28日、1列おきに隣り合う3席を空席にすることを条件に、各クラブがファンを入れられるようにすることを決めた。

 5月30日に行われたメズークベシュドSE(Mezokovesd-Zsory SE)との試合前、北東部ミシュコルツ(Miskolc)にあるディオーシュジュールVTK(Diosgyor VTK)の本拠地の外では、サポーターたちが、スタジアムに戻り仲間に再会できてうれしいと話した。

 36歳のファンは「もしへまをすれば、また無観客試合になってしまうかもしれないから、ルールは守る」と語った。

 週末に行われた6試合のうちの一つとなったこの一戦には約2255人が集まり、観客席にはファンが散らばっていた。

 ディオーシュジュールのマスクをした18歳の学生は「ウイルスは消えていないから、僕らは距離を取らなければならない」と話すと、41歳のファンは「俺たちが心配しているのはチームが勝つのか、それとも負けるのかということだけ。感染症についてではない」と語った。

 多くのファンがいるハンガリー最大のクラブ、フィレンツバロシュTC(Ferencvaros TC)が本拠地を置く首都ブダペストを除けば、昨シーズンにおける同国の1試合の平均動員数は全国で約3000人と、観客数は一般的に少ない。

 連盟からの発表を受け、インターネット上には「とっくに、スタジアムでしっかりとソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の措置を取っていた」というジョークも投稿された。

 人口約980万人のハンガリーでは、5月31日までに3876人が感染し、526人が亡くなっている。(c)AFP