【5月31日 AFP】(更新)イランのアブドルレザ・ラハマニファズリ(Abdolreza Rahmani Fazli)内相は、燃料価格の値上げに端を発し、昨年11月に同国で相次いだ抗議デモの死者数について、最大225人に上ると示唆した。半国営イラン学生通信(ISNA)が31日、報じた。

 一連の抗議デモの死者数について、イラン当局は公表していないものの、英ロンドンに拠点を置く国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、300人超としていた。

 抗議デモは、昨年11月15日に複数の都市で発生した後、少なくとも100市町に急速に拡大し、給油ポンプの放火や警察署の襲撃、商店での略奪が起きた。だが、インターネットがほぼ全面的に遮断される中、治安部隊によって鎮圧された。

 イラン当局は、外国メディアや人権団体らが発表した死者数を「うそ」だとして繰り返し否定しつつ、公表の責任を政府機関の間でたらい回しにしてきた。

 ISNAによると、同内相は、「悲しいことが起きた。約40~50人、つまり殺害された人々の約20%が、標準装備ではない武器による発砲を受けて殉教した」と発言。

 政府によると、この内訳に基づけば、暴力沙汰で200~225人が死亡した可能性があるという。

 一方でアムネスティは、男性や女性、子どもも含めて少なくとも304人が死亡したとしている。(c)AFP