【5月31日 AFP】仏自動車大手ルノー(Renault)が新型コロナウイルス流行の影響により全世界で1万5000人の人員削減を決定したことを受けて、フランス北部モブージュ(Maubeuge)の同社工場前で30日、従業員数千人が抗議集会を行った。労働組合側は8000人が参加したと発表している。

 ルノーは新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により悪化した経営難からの脱却を目指し、人員削減策を打ち出した。仏国内では4600人が削減される見通しとなっている。

 抗議集会が行われたモブージュの工場は約2100人を雇用しているが、29日以降、操業を停止している。労組組合員のジェローム・デルボー(Jerome Delvaux)さんはAFPに対し、「まるで地震が起きているようだ。ここにあるわれわれの会社を守りたい」と話した。

 デルボーさんは「従業員やこの地域の住民がこの会社に深く関わっていることや、われわれが支持されていることを政府やルノーに示すために、今日のデモはたとえ最初の一歩にすぎなかったとしても非常に重要だ」「われわれにはこの仕事が必要だ。さもないと、この地域一帯が死んでしまう」と訴えた。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受け、多くの人々が数週間にわたる自宅待機を強いられて以降、自動車産業は販売不振にあえいでいる。ルノーは市場での競争力を立て直すため、今後3年間で20億ユーロ(約2400億円)超のコスト削減を図り、電気自動車に軸足を移す方針を示している。(c)AFP