【5月31日 AFP】内戦が続くリビアで、移民に殺害された密輸業者の家族が、報復としてバングラデシュ人26人とアフリカ人4人を殺害した。国連(UN)の承認を受けた国民統一政府(GNA)が28日、明らかにした。

 内務省によると、事件は首都トリポリの南方約150キロに位置する町ミズダ(Mezdah)で発生。動機は不明だが、密輸業者の男性(30)が「不法移民たち」に殺害された。

 男性の家族らは、この報復として移民30人を殺害。さらに国籍不明の移民11人も負傷し、トリポリの南西170キロに位置するゼンタン(Zentan)にある病院に搬送されたという。

 内務省は、移民たちを殺害した者たちを追い、裁きにかけると明言している。

 リビアは2011年の民衆蜂起で独裁者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)氏が失脚、殺害されたことを機に混乱に陥り、この機に乗じた人身売買業者が、欧州を目指す不法移民たちの主要中継地としている。

 この地では、アジア諸国やサハラ(Sahara)砂漠以南のアフリカ諸国から来た多くの移民たちが劣悪な環境下に置かれている。(c)AFP