【5月31日 CNS】カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州(British Columbia)上級裁判所は現地時間27日、中国の電気通信大手「華為技術(ファーウェイ、Huawei)」の孟晩舟(Meng Wanzhou)副会長兼最高財務責任者(CFO)の米国への身柄引き渡し事案において、米国での罪がカナダでも罪に相当するかという問題について「双罰性は成立する」との判決を下した。

 孟CFOは同日、法廷に出廷し判決を聞いた。ヘザー・ホルムズ(Heather Holmes)主審判事は、8000字、23ページの判決書を読み、孟CFO側の「引き渡し要求は双罰性が無いので無効」との主張を退けた。

「双罰性」はカナダの「犯罪人引き渡し協定」の核心的な原則の一つで、引き渡しを要求する国が訴えた容疑者の犯罪がカナダでも犯罪であることが、今回の引き渡しを進める先決条件だった。

 裁判官が、本案は「双罰性」の基準を満足していると判定したことは、引き渡しに関する審理の継続と、ファーウェイの副会長兼CFOである孟晩舟が、保釈状態のまま引き続きバンクーバーで勾留されることを意味している。今回の判決書が出された時点で、孟晩舟の勾留期間は543日を過ぎた。

 ファーウェイは同日、裁判所の判決に失望を表明、孟晩舟の潔白を信じている事と、引き続き公正な判決と自由を勝ち取れるよう支援していく、との声明を発表した。

 今後、控訴側と弁護側は引き続き、孟晩舟がバンクーバー国際空港で逮捕された際のカナダ側の行為に職権乱用があり合法的な権利が侵されたのではないかという問題と、米国側が引き渡しを要求している根拠と罪名が十分で適切かどうか、などにについて弁論を進める予定だ。

 2018年12月1日、カナダ政府は米国政府からの要請を受け、バンクーバー国際空港で飛行機の乗り継ぎ中だった孟晩舟を拘束。米国側は詐欺罪により孟晩舟の身柄の引き渡しを求めた。カナダ司法省は2019年3月1日、孟晩舟引き渡し案に関する授権命令を下す。この後、孟晩舟は2019年に3回バンクーバーで出廷し事情聴取に応じる。今年1月下旬、ブリティッシュ・コロンビア州上級裁判所は、孟晩舟引渡案の第1段階の正式なヒアリングを行い、弁論の重点は、米国側が提起している孟晩舟引き渡し要請が「双罰性」基準に合致しているかだった。(c)CNS/JCM/AFPBB News