【6月1日 CNS】中国のコンビニ業界で成長著しい「便利蜂(Bianlifeng)」は先月25日、これまでに計15億ドル(約1600億円)の資金を調達し、北京地区の店舗経営は全体として黒字となったことを明らかにした。

 これは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に足を引っ張られたコンビニ業界としては、元気が出るニュースだ。「便利蜂」によると、調達した資金は全て中国国内のコンビニ市場に投入し、直営方式を続け、フランチャイズ(FC)は行わず、2020年末には中国全土で黒字を達成する、としている。

 業界内では再び、コンビニの経営モデルに関する議論が始まった。負担が軽くコストや費用が低く拡大しやすいFCがよいのか、それとも、重い資金負担と強度のシステム化経営となる直営が良いのか。現在の情勢で、どちらがより良い選択肢となるのか、専門家に聞いてみた。

■直営かFCかの論争

 2017年2月に北京で初の店舗を開店後、「便利蜂」の店舗数は今や1500店を超えた。その成長の速度は際立っており、徹底して直営にこだわる発展モデルは外界の注目するところだ。ネット上で偽のFC情報が流れるごとに、「便利蜂」は繰り返しぶれることなく「直営モデル」を歩むと強調している。

「便利蜂」は、中国のコンビニが大きくなれない原因の一つは、FC制による食品安全リスクだと考えている。コンビニにとって、生鮮食品や加熱食品を扱わなければ売り上げは伸びず、生鮮食品や加熱食品を扱えば、FC制による利害関係により、食品衛生の問題が起こりやすくなり、最後には、自分で自分の看板をつぶすような結果となる、という。

 コンビニ業界の専門家である林鑫(Lin Xin)さんによると「FCは人の問題を解決するための手段であり、資金の問題を解決する手段ではない」と言う。「資金の問題を解決するためにFC展開するのであれば、コンビニ経営は消費者とのビジネスではなく、FC加盟者とのビジネスに成り下がる。加盟者は金のために、勝手に商品を調達したり、食品安全問題を引き起こしたり、ひいては消費者に迷惑をかけかねない」と指摘する。

 一方で「長期的に見れば、急激に規模を拡大したいのであればFCがよい。それは、コンビニが通常24時間営業のため、店舗オーナーのやる気を引き起こし、コストを下げ、経営効率を引き上げることが必要だからだ」という意見の専門家もいる。 (c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News