【5月30日 AFP】米北部ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で、警官から首を膝で押さえつけられ、助けを求めながら死亡した黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)は、テキサス州ヒューストン(Houston)からミネアポリスに移り、新しい生活を始めたばかりだった。親族や知人は、フロイドさんは寛大な心を持つ男性だったと話している。

 兄弟のフィロニーズ(Philonese Floyd)さんは、フロイドさんが亡くなった翌日の26日、「誰もが私の兄弟を愛していた」と語った。フロイドさんの死を受けて大規模な抗議デモが行われており、米国にはびこる人種差別への非難が再び巻き起こっている。

 フィロニーズさんは米CNNに対し、「彼は心優しい大男だった」「誰も傷つけたりしなかった」と述べた。

 死亡したフロイドさんは北部ミネソタ州へ移り、トラック運転手の仕事に就いた。最近ではレストラン「コンガ・ラテン・ビストロ(Conga Latin Bistro)」の警備員として働いていたものの、新型コロナウイルス流行のため同州でも封鎖措置が取られたため一時帰休となった。

 親しい人たちは、フロイドさんはより良い人生を歩もうとしていたと話す。

 身長約2メートルと目を引く長身だったフロイドさんは、バスケットボールやアメリカンフットボールでスター選手として活躍。ヒップホップ音楽も始めた。しかし、仕事を見つけるのが困難となり、ヒューストンを離れることになった。

 同じ高校に通ったジョナサン・ビール(Jonathan Veal)さんは、最後に連絡を取り合ったのは今年1月だったと明かす。フロイドさんはテキストメッセージで、「子どもたちのために少し頑張らないといけない」「私の信仰は本来あるべき状態に戻りつつある」と話していたという。