【5月30日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するウィリアムズ(Williams)は29日、業績の大幅な落ち込みを受けてチームの売却を検討していることを明らかにした。

 ウィリアムズ・グランプリ・ホールディングス(WGPH)は、2019年度の決算で1300万ポンド(約17億2900万円)の損失を記録したと報告した。2018年は1290万ポンド(約17億1600万円)の利益を計上していたが、チームは新たな投資家を求めることで、打撃に対応しようとしている。

 英国に拠点を置くウィリアムズは、少数株式、あるいは買収オプションを含む過半数株式の売却を投資家に提案する。まだ正式な申し入れはないものの、候補に挙がっている投資家と「予備的な協議」を行ったと認めた。

 こうした方針転換の一方で、ウィリアムズは新型コロナウイルスの危機が収束してF1が再開されたときに備え、資金を調達していること、そして再びレースで順位を争う意思があることを明らかにし、「会社は多くの困難に直面しているが、ウィリアムズは現在も資金を確保しており、2020年シーズンが開始された暁にはレースを再開する準備が整っている」とのコメント文を発表した。
 
 一方でルノー(Renault)は同日、仏自動車大手の親会社が自動車販売の激減で1万5000人規模の雇用削減を発表した一方で、チームは今後もF1にとどまる方針を示した。

 F1では先日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による影響を抑えるために、来季における各チームの予算上限を1億4500万ドル(約156億円)に引き下げることが発表された。

 5年間の空白を経て2016年にF1に復帰したルノーは、来季以降の支出上限額が削減されたことが参戦続行の追い風になるとの認識を示し、親会社のクロチルド・デルボス(Clotilde Delbos)最高経営責任者(CEO)は、「われわれは公言通り、F1活動を続けるつもりであることを確認する」と述べた。

「支出に関する新たな上限のニュースは、当社とって非常に良いことだ。なぜなら、われわれはこの分野(財政面)において、多くの資金を費やしている一部のライバルチームに劣るからだ」「従って、われわれはF1にとどまる」 (c)AFP