【5月30日 AFP】(更新)米北部ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で、黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)が警察の拘束下で死亡した問題で、地元当局は29日、フロイドさんを死に至らしめたとされる元警察官の男を逮捕し、第3級殺人などの罪で訴追した。

 逮捕されたデレク・ショービン(Derek Chauvin)容疑者は25日、フロイドさんの首を少なくとも5分間にわたり膝で押さえつける様子が動画に撮影され、免職処分を受けた。ミネアポリスでは事件を受け、3晩連続で暴動が発生。店舗数百軒が損壊し、警察署が炎上する事態となっていた。

 地元ヘネピン(Hennepin)郡のマイク・フリーマン(Mike Freeman)検事は記者会見で、同郡検察当局がショービン容疑者を第3級殺人と故殺の罪で訴追したと発表。さらにフロイドさんの死に関与したとされる3人の警察官も訴追されるとの見通しを示したが、その具体的な手続きについては言及を避けた。

 フロイドさんの死に関与したとされる警官4人が駐在していたミネアポリス警察署では28日夜、デモ隊が防御線を突破し、署内を占拠。その後火災が発生し、建物は瞬く間に大火に包まれた。州当局は29日、ミネアポリスとセントポール(St. Paul)の治安維持のため州兵500人を出動させたと発表した。

 抗議デモはアリゾナ州フェニックス(Phoenix)、テネシー州メンフィス(Memphis)、コロラド州デンバー(Denver)など全米各地でも発生。ニューヨークではデモ参加者数十人が拘束された。

 ケンタッキー州ルイビル(Louisville)では28日、黒人女性のブリアンナ・テイラー(Breonna Taylor)さんが自宅へ突入してきた警察により撃たれ死亡した今年3月の事件に抗議するデモの現場で発砲があり、7人が負傷。ルイビル警察(LMPD)によると、うち1人は重体となっている。銃撃犯は特定されていない。(c)AFP