【5月29日 AFP】台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は29日、香港の著名な反体制派の林栄基(Lam Wing-kee)氏が台湾で経営する書店を訪れ、香港で民主主義のために闘う人々への人道支援と保護を改めて約束した。

 蔡総統は林氏に対し「香港の人権、自由、民主主義へのあなたの熱意に感謝します。台湾の人々を代表して、あなたを歓迎します」と述べた。

 2015年末、中国指導部にまつわる「禁書」を出版した林氏ら5人の香港の書店店主らが突然消息を絶ち、その数か月後に中国本土の警察に身柄を拘束されていることが分かった。

 林氏は昨年、香港政府が本土に容疑者の身柄引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正案を発表したことを受け、台湾に移住し、先月台湾で書店を再開した。同改正案は現在撤回されている。

 蔡氏は、中国が香港民主派の弾圧を続ける中、台湾に逃れてくる香港の人々を支援するための「人道支援行動計画」を策定中だと強調した。蔡氏はこの姿勢により、中国の怒りを買っている。

 昨年には、抗議デモ関連での訴追を回避する人や、台湾で新生活を始めようとする人など、前年比で41%増となる5000人以上が、香港から台湾に移住している。(c)AFP