【5月29日 AFP】新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)が解除された後、チェコで初めて行われていたテニスの国内大会が28日に終了し、女子では通算2度のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)制覇を誇るペトラ・クビトバ(Petra Kvitova)が優勝した。

 チェコの選手だけで3日間にわたり行われた今大会では、新型コロナウイルスの厳しい感染防止対策が講じられる中で、男女8人ずつが出場した。会場ではマスク姿の人々や、ラケットを突き合せてのあいさつなど、いつもとは違う光景が数多く見られた。

 世界ランク12位のクビトバは、雨による中断にも見舞われながらカロリーナ・ムチョバ(Karolina Muchova)との決勝を6-3、6-3で制した後、「手袋にマスク姿、誰にもタオルを渡してもらえないし、握手もなしなんて本当に奇妙だった」とすると、「無観客でプレーしたけれど、自分たちが慣れている雰囲気ではなかった」とコメントした。

 大会は無観客で行われたが、一部ではソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)に苦労しながら、フェンスの裏から観戦する人の姿もあった。コート上では審判がマスクの着用を義務付けられていたほか、ボールパーソンも感染を防ぐために手袋をはめていた。

 選手たちも大会を通じて、コートに入るまでマスクを着用。また、ネット越しのあいさつは握手の代わりに簡単にラケットを突き合せるだけとなった。

 新型ウイルスの感染対策だけでなく、天候にも恵まれないなど困難があったが、選手たちは長期の活動停止期間を乗り越えての今回のイベントに対し、こぞって称賛の言葉を口にした。

 クビトバは、「現状やパンデミック(世界的な大流行)のことを踏まえれば、素晴らしい大会だった」「またこうしてイベントが行われているというのは素晴らしい。テニス界が通常モードに戻る上で、この大会が始まりとなったらうれしい」と語った。

 一方のムチョバは、「再開できて最高だった」「四大大会(グランドスラム)の準決勝で当たるような選手たちとプレーできた。素晴らしい試合だった」と振り返っていた。(c)AFP/ Jan FLEMR