【5月29日 AFP】イタリア北部で、1世紀近く前から発掘調査が行われていた古代ローマのモザイク画がブドウ園の下から発見された。地元市長が28日、明らかにした。モザイク画の保存状態は非常によいという。

 鮮やかな色彩の幾何学模様のモザイク画は、ベローナ(Verona)に近いネグラールディバルポリチェッラ(Negrar di Valpolicella)郊外で発見され、一部が発掘された。1922年から考古学者らが調査していた邸宅の一部と考えられている。

 ネグラールディバルポリチェッラのロベルト・グリソン(Roberto Grison)市長はAFPに、「モザイク画を見たとき、質が高く、色の保存状態がよく、モザイク画そのものの保存状態もよかったため、とても感動した」と語った。

 グリソン氏によると、調査や1世紀前の発掘から、地元住民らはワイン産地として知られるこの地に古代ローマの工芸品が埋まっていると以前から知っていた。今回モザイク画が見つかったエリアは「ビラ(邸宅)」と呼ばれているという。しかし、これまで大きな発見はなかった。

 ベローナ市の考古学者ジャンニ・デ・ズッカート(Gianni de Zuccato)氏は、地下深くに埋まっていた赤、茶色、灰色、白のモザイクを見た瞬間は「タイムマシンに入ったよう」だったと話した。モザイク画は紀元後250~400年頃に制作されたものだという。

 デ・ズッカート氏によると、邸宅の面積は約300平方メートルに上ると考えられている。さらに、同氏らが発掘を行った別の場所には、約1000平方メートルにわたる複数の建物や屋上庭園もあったと考えられるという。

 グリソン氏は、現在の目標は発見された邸宅について明らかにし、「興味のある人は誰でも見られるようにすること」だと述べた。

 専門家らは現在、邸宅の正確な規模の把握に努めている。(c)AFP