■夫から家を追い出されることも

 ヤウンデで新型ウイルス感染者の心理的反応チームを率いるロール・メヌゲヌ・ムビエナ(Laure Menguene Mviena)氏は、カメルーンの看護師たちは新型ウイルスの治療チームに所属していることを理由に、夫から見放され、家から追い出されていると指摘する。

「看護師に心理的支援を提供するのが喫緊の課題だ。彼らが気力も体力も使い果たしてしまったら、どうやって他の人の世話をするというのか」とムビエナ氏は強調した。さらに同氏は、カメルーンの致死率は依然として低い水準であり、「欧州よりも低い」ことを理解すべきだと述べた。

■あだ名は「コロナ」

 一部の患者は回復した後も周囲の健康を危険にさらしているとして、辱めを受けている。

 ケニアのある女性は退院後、近所の人にばかにされたり、じっと見られたりしたという。「コロナ」と呼ばれることさえあった。

 だが、周囲の人々が新型ウイルスに関する知識を得るにつれ、心ない言葉を浴びせられることは減った。この女性は「年長者や地元政府、教会の介入によって、コロナから回復することはできるのだと周りの人が理解し始めた」と述べている。

 各国政府は、厳格な感染症対策の必要性と、偏見につながる恐怖の抑制との微妙なバランスをとらなければならない。

 リベリア、ギニア、シエラレオネで感染者の3分の1以上が亡くなった2014年のエボラ出血熱の流行時も、回復した患者は新型ウイルスの場合と似たような状況に直面したとブーム氏は指摘している。(c)AFP/Camille Malplat with AFP bureaus