【5月29日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)は28日、新型コロナウイルス感染リスク削減を目的とした一時的なルール変更を打ち出した。オレンジカードの導入など計10個に及ぶ今回の対策は、試験的なもので、採用するかは任意となる。

 今回の対応策は主に娯楽としてのラグビー向けに考案されたもので、1試合当たりのスクラム数の削減や、モールの人数の制限、ラックの迅速化が内容に含まれる。

 ラグビーユニオン(15人制)では、イエローカードが10分間の退場、レッドカードが一発退場となっているが、オレンジカードはレッドカードの疑いがある反則に適用され、提示された選手はテレビジョンマッチオフィシャル(TMO)が問題の場面を検証する間、フィールドから退場させられる。

 レッドカードと判断された場合、問題の選手は試合に復帰できない。また、レッドカードでなかった場合は15分間の退場となる。

 オレンジカードはプロの試合のみに適用される予定で、危険タックルに関するガイドラインの強化や、互いの顔を向き合わせる接触プレーの削減を目的としている。

 スクラムのリセット(組み直し)は試合時間を長引かせるため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大流行するずっと以前から、ラグビーユニオンでは根強い問題になっていた。今回のルールでは、スクラムの組み直しをなしにし、代わりにフリーキックやペナルティーキックを行うことなどが提案された。「反則が起きてない」場合は、ボールを投げ入れた側のチームがポゼッションを獲得する。

 ワールドラグビーによると、今回のルール変更によりスクラムでは30パーセント以上の接触プレーが削減できるといい、同団体のビル・ボーモント(Bill Beaumont)会長は、「試合中にどのエリアがリスクにさらされるか、われわれは広範囲にわたって検証してきた」と述べた。

 しかしながら、これらの対策を実施するかどうかは、それぞれの国における新型ウイルス感染のリスクや、政府が定めるガイドラインに基づき、各協会が判断することになっている。(c)AFP