【5月31日 東方新報】中国の各地の国際空港で、5G通信が次々と開通している。 空港のWi-Fi回線がのろくてイライラさせられたのは昔の話。これからは、ターミナル内で、搭乗直前の数秒で映画やゲームをダウンロードすることもできるし、飛行機の待ち時間、オンラインで仕事もできる。

 遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)の桃仙国際空港(Shenyang Taoxian International Airport)は17日、同空港の第1ターミナル、第3ターミナル、オフィスビル、屋外ゲートなど全域で、中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)瀋陽支社による5Gインターネットの利用がスタートしたと発表した。中国東北地域の航空中枢としては最初の5G導入だ。

 桃仙空港全体の5G建設プロジェクトには、2000万元(約3億円)近い資金が投入され、新型コロナウイルス感染症の影響下で、45日工事が中断されながらも、3か月間の突貫工事で、28台のベースバンドユニット(BBU)、788台PRRU、32台のRRU(リモートラジオユニット)などの5Gインフラの開通を完成させた。 すでに、5Gのダウンロード速度は最高1Gbps前後で、4Gの数十倍の速度という。

 さらに、桃仙空港の担当責任者によれば、5Gネットの開通は空港のスマート化の第一歩にすぎないという。5Gネットを使うことで将来的に、空港にサービスロボットを導入し、大量のIoTを使った管理、コントロールも可能になるという。

 同じく17日、浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)の櫟社国際空港(Ningbo Lishe International Airport)の東エプロンの5G基地局も完成。15.59万平方メートルのターミナル、60の駐機場スポット、6万平方メートルの駐車場や空港道路で5Gが利用できるようになった。浙江省で5G通信が全面的に利用できる民用空港はこれが最初だ。5Gを利用すれば、空港待合室で2GBの映画を数秒でダウンロードすることも可能だ。

 先月21日には江蘇省(Jiangsu)南通市(Nantong)の興東国際空港(Nantong Xingdong International Airport)で5G通信網が全面的に開通。江蘇省最初の5G空港となった。ターミナル外のエプロンでも5G通信が利用できる。同省南京市(Nanjing)の禄口国際空港(Nanjing Lukou International Airport)も今月中に全面的に5Gが開通する。

 山東省(Shandong)済南市(Jinan)の遥牆国際空港(Jinan Yaoqiang International Airport)では春節(旧正月、Lunar New Year)以降、中国聯合通信(チャイナ・ユニコム、China Unicom)山東支社と華為技術(ファーウェイ、Huawei)が共同で5Gインフラ工事に取り掛かり、空港内の36の区域で300の5G端末が利用できるようになっている。

 空港自体のスマート化が一気に進み、搭乗手続きやターミナル内の客の流動コントロール、飛行機の離着陸誘導なども一層合理化、スピードアップされフライトスケジュールの正常率も大きく向上されると期待されているやがて新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が鎮静化し、世界の旅行者、出張者が再び中国を訪れるころには、5Gユーザーはどの国際空港でも5Gの高速を体験できるはずだ。(c)東方新報/AFPBB News