【5月28日 AFP】(更新、写真追加)中国の全国人民代表大会(全人代、NPC、国会に相当)は28日、香港に「国家安全法」を導入する方針を採択した。同法をめぐっては、香港の自治を損なうとの批判が出ている。

 2800人余りの代表から成る全人代は、「(中国からの)分離、国家権力の転覆、テロリズムや国家安全保障を危険にさらす行為」を処罰する国家安全法を起草する提案を、圧倒的な賛成多数で採択した。反対は1票、棄権が6票だった。

 結果が発表されると、北京の人民大会堂(Great Hall of the People)は大きな拍手に包まれた。

 国家安全法は、中国当局が香港政府を事実上迂回(うかい)し、直接導入する形となる。

 先週公表された国家安全法の草案には、中央政府の治安当局に香港で公然と活動する権限を与えることが盛り込まれている。

 具体的な法律の策定は全人代常務委員会が行う。中国政府はこれを「早期に」行わなければならないとしている。同委の次の会合は来月開かれる見通し。

 国家安全法の制定をめぐっては、外国政府や投資家、香港民主派から、1997年に英国から返還された際に中国が香港に確約した自由を奪おうとしているとの非難の声が上がっている。(c)AFP