【5月28日 AFP】国際自動車連盟(FIA)は27日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による打撃を抑えようとする中、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦する各チームの2021年における支出上限を1億4500万ドル(約156億円)に引き下げると発表した。予算上限はその後、2023年までに1億3500万ドル(約145億円)となる。

 FIAの世界モータースポーツ評議会(WMSC)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって全22戦のうちすでに10レースが中止か延期になり、シーズン短縮を余儀なくされているF1の規則についての修正案を承認した。

 1シーズン21戦を前提として、支出の上限は2021年が1億4500万ドル、2022年が1億4000万ドル(約150億円)、2023年から2025年までは1億3500万ドルとなる。

 FIAのジャン・トッド(Jean Todt)会長はツイッター(Twitter)に「F1、そしてモータースポーツ界の持続可能性にとって大きな一歩。実現したことに関してFIA、F1、そして各チームに感謝する」と投稿した。

 新型コロナウイルスの感染拡大前は、平等な競争を目指して、1億7500万ドル(約188億円)の支出上限が来年に導入される予定だった。

 FIAは発表文の中で「世界モータースポーツ評議会は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを考慮し、主にコスト削減と競技保護の必要性から、F1に関する規則のさらなる変更を承認した」と記した。

 予算の上限以外にも、FIAは技術および競技の規則変更に同意した。

 中でも重要なのは、こちらも2021年に導入される見通しとなっている空力開発のハンディキャップ制度だ。今回の合意によれば、コンストラクターズ選手権の順位が下のチームほど、翌年のマシン開発で風洞を使用できる時間が長くなるという。

 今季のF1は、7月5日に決勝が行われるオーストリアGP(Austrian Grand Prix 2020)が開幕戦になる予定で、レースは12日にも連続して行われる。(c)AFP