【5月28日 Xinhua News】中国上海市の街角では最近、昔ながらの真っ赤な公衆電話ボックスが少しだけ姿を変えた。第5世代移動通信システム(5G)の小型基地局が上部に設置され、新型インフラの「一員」として新たな役割を担っている。

 上海大劇院近くの「5G電話ボックス」周辺では、下りで約900Mbps、上りで約100Mbpsと、4Gをはるかに超える通信速度が測定された。

 中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)上海支社(上海電信)移動インターネット部移動通信建設センターの張軍(Zhang Jun)主任は、3Gや4Gに比べ、5Gはカバーエリアを広げるには基地局を多数設置する必要があるとし、既存の電話ボックスに小型基地局を設置することで、遊休資産を活用するとともに、マクロ基地局の対応エリアの死角も補えると説明した。

 上海市内に設置された公衆電話ボックスは約5千カ所。主に交差点や公共施設、商業エリア周辺に置かれている。5Gが利用できるのは今のところ、繁華街にある10カ所余りだが、上海電信は年内に100カ所以上に増やす予定。スマートフォンの充電ができるサービスも一部に取り入れる。

 上海市は現在、スマートシティー建設を加速させており、年内に5G基地局を2万カ所に増やし、市内をフルカバーする方針を打ち出している。中国電信、中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)、中国聯通(チャイナ・ユニコム、China Unicom)の三大通信キャリアも年内に5G基地局の整備を加速させる方針を示している。(c)Xinhua News/AFPBB News