【5月28日 Xinhua News】中国雲南省(Yunnan)の高黎貢山国家級自然保護区保山管理保護局はこのほど、研究スタッフが同保護区の保山地区で絶滅危惧種の植物、滇桐(てんとう、学名Craigia yunnanensis)31株から成る個体群を発見したと明らかにした。保山地区での滇桐の発見は初めて。

 同局の徐聡麗(Xu Congli)生態学博士によると、滇桐は落葉性の喬木(きょうぼく)で、分布域が狭く、群生がめったに見られない希少な国家2級重点保護野生植物で、中国生物種レッドリストと国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているという。

 中国科学院昆明植物研究所の刀志霊(Dao Zhiling)副研究員によると、今回発見された個体群は保山地区の騰衝市(Tengchong)エリアにあり、主に1株ずつ独立しているが、ごく一部は2株、3株まとまって生育している。うち最大の個体は高さが約30メートル、胸高直径が1メートル余りあり、これまでの研究で樹齢200年前後と推定されている。

 同局騰衝分局大蒿坪(たいこうへい)管理保護ステーションの責任者、余新林(Yu Xinlin)氏は、森林保護スタッフが野外で収集した滇桐の種子116個を持ち帰って発芽試験を行ったところ、1カ月余りで種子2個が発芽したと説明し「育苗が成功すれば屋外に移植し、滇桐の個体数を増やしていく」と語った。

 高黎貢山は豊かな動植物資源に恵まれ、世界的に意義のある陸生生物の多様性が保たれた重要地区であり、「世界生物種遺伝資源ライブラリー」と称されている。(c)Xinhua News/AFPBB News