【5月27日 AFP】米国が自国の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に運ぶ有人宇宙飛行を9年ぶりに再開する。この記事では米国の有人宇宙飛行の歴史の中で重要な節目となった出来事をまとめた。

■宇宙飛行した初の米国人

 1961年4月12日、宇宙船ボストーク1号(Vostok 1)に搭乗した旧ソ連のユーリ・ガガーリン(Yury Gagarin)宇宙飛行士が108分間で地球周回軌道を1周し、人類初の有人宇宙飛行を成し遂げた。これにより、米国は旧ソ連の後塵(こうじん)を拝することとなった。

 同年5月5日、今度は米国のアラン・シェパード(Alan Shepard)宇宙飛行士が15分間の弾道飛行に成功した。これは、1958年に新たに設立された米航空宇宙局(NASA)が立ち上げた同国初の有人宇宙飛行計画、マーキュリー計画(Project Mercury)の一環として行われたもので、ボストーク1号の成功から1か月とたたないうちに実施された。

 シェパード飛行士が搭乗したカプセル型宇宙船マーキュリー3号(フリーダム7)は、現地時間午前9時34分、米フロリダ州ケープカナベラル(Cape Canaveral)からレッドストーン(Redstone)ロケットを使って打ち上げられ、高度186キロに到達。500キロ弱の距離を飛行し、大西洋に着水した。

 その数週間後、ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)米大統領がアポロ(Apollo)計画を立ち上げ、10年以内に人を月に送ると宣言している。

 そして1962年2月20日、ジョン・グレン(John Glenn)宇宙飛行士が米国人として初めて地球周回軌道を飛行し、5時間足らずで地球を3周した。

■有人月面探査

 宇宙船の機器類と操縦手順をテストするための6回の無人ミッションと4回の有人ミッションを経て、1969年にアポロ11号(Apollo 11)がついに月面到達を果たす。

 同年7月20日午後10時56分、人類で初めて月面に降り立ったのは米国のニール・アームストロング(Neil Armstrong)船長だった。その約20分後、乗組員のバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)飛行士が続いて月面に降りた。その間、マイケル・コリンズ(Michael Collins)飛行士は月周回軌道で待機していた。

 世界の5億人以上がテレビで見守る中、アームストロング船長は「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」という不朽の言葉を残している。

 その後、6回のアポロ有人ミッションが実施され、うち5回に成功。10人の飛行士を月面に到達させたが、1972年12月にアポロ計画は打ち切りとなった。