■チャレンジャーとコロンビアの事故

 1972年、リチャード・ニクソン(Richard Nixon)大統領が米スペースシャトル計画の発足を決める。そして1981年4月12日、世界初の再利用可能な有人宇宙船「コロンビア(Columbia)」が初飛行を行った。

 コロンビアの後にはスペースシャトル「チャレンジャー(Challenger)」「ディスカバリー(Discovery)」「エンデバー(Endeavour)」「アトランティス(Atlantis)」が続いた。1983年7月、チャレンジャーに搭乗したサリー・ライド(Sally Ride)飛行士が、米国人女性として初めて宇宙空間に送り込まれた。

 1986年1月28日、スペースシャトルの25回目となるミッションでは、チャレンジャーが打ち上げから73秒後に爆発する事故を起こした。搭乗する宇宙飛行士7人が全員死亡する惨事は、世界中の人々がテレビで打ち上げの様子を見守る中で起きた。

 スペースシャトルの運用は、1988年9月にディスカバリーによって再開された。

 その後、1990年にハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)が軌道に投入され、1998年にISSの組み立てが始まったことに伴い、米国のスペースシャトルミッションの重要性はさらに高くなっていった。ISSの建設費用は1000億ドル(約11兆円)で、大部分を米国が提供した。

 シャトルの打ち上げはその後も繰り返し行われたが、2003年2月1日に再び事故が起きた。大気圏再突入時にコロンビアがテキサス州上空で空中分解してしまったのだ。この事故で、乗組員全員が犠牲となった。

■有人飛行の中断

 2004年、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領はスペースシャトル計画を2010年に終了させ、ISSの建設をそれまでに終わらせることを決定。残りの期間については、ディスカバリー、エンデバー、アトランティスでの運用となった。

 30年にわたって活躍したスペースシャトルの最後の飛行は、2011年7月末に実施された。(c)AFP/Pascale JUILLIARD