■「未来があるのはホテルよりやはり民間アパート」

 米サンフランシスコに本社を置くエアビーアンドビーは今月5日、世界中で従業員4分の1に当たる約1900人の削減に踏み切る方針を創業者のブライアン・チェスキー(Brian Chesky)最高経営責任者(CEO)が同社のホームページで明らかにした。

 エアビーアンドビーの今年の収益は、2019年の「半分以下」になる見通しで、チェスキー氏は、観光客がいつ戻って来るか分からないと明かしている。

 しかし、休暇中に都会の喧騒(けんそう)から離れて一息つく場所としては、ホテルではなく、やはりアパートに未来があると考える人は依然として多い。

 ギリシャの不動産所有者連盟および国際不動産所有者連合のストラトス・パラディアス(Stratos Paradias)会長はAFPに対し、「旅行客にとっては、多くの人と接触する必要があるホテルより安全に感じる民間アパートの方が有益だろう」と説明した。

 休暇を地元で過ごすことを好む人が多いフランスでは、予約は地元住民ですぐに埋まると見込まれている。同国のエアビーアンドビーの代表、オーレリアン・ペロル(Aurelien Perol)氏は、ロックダウンが解除されると駆け込み予約が増えると予想する。

■新型コロナ危機が規制のきっかけに

 ギリシャで人気のオンライン不動産広告ネットワークのスピトガトス(Spitogatos)が実施した調査では、4月中旬に長期賃貸されたアパートは明らかに増加しており、アテネ中心部の市場の30%を占めている。

 スピトガトスのディミトリス・メラクロイノス(Dimitris Melachroinos)CEOは、長期賃貸の部門は旅行者に「より安全な選択肢」と見なされ、引き続き伸びるとの見方を示す。

 不動産市場におけるこの新たな展開は、同部門で切望されてきた規制にもつながるという。パラディアス氏は、「近年アテネでは、短期賃貸が野放しになっていた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機で規制の必要性が浮かび上がったのだ」と話した。

 映像はチトーさんが所有するエアビーアンドビー用のアパートとアテネ市内の景観、5日撮影。(c)AFP/Alexandros KOTTIS/Emmanuelle MICHEL/Sara MAGNIETTE/Rébecca FRASQUET /Julie JAMMOT