【5月27日 AFP】米グーグル(Google)傘下の動画共有サイト、ユーチューブ(YouTube)は26日、中国共産党を批判するコメントが削除されているとの苦情について、調査中だが、現在のところシステムの「エラー」が原因とみられると発表した。

 今回のユーチューブの調査は、バーチャルリアリティー(VR、仮想現実)企業オキュラス(Oculus)の創設者で、現在は防衛技術企業で活動するパーマー・ラッキー(Palmer Luckey)氏の苦情を米IT系ニュースサイト「ザ・バージ(The Verge)」が報じたことがきっかけで実施された。

 ラッキー氏は25日、「ユーチューブは私が中国共産党のインターネット・プロパガンダ部門、五毛(Wumao)について書いたコメントをことごとく削除している」とツイッター(Twitter)に投稿し、ユーチューブの新しい検閲方針が原因ではないかと示唆した。これに対し、他のツイッターユーザーからも中国共産党に関するコメントが削除されていると同意する声が上がった。

 ラッキー氏のコメントに関心を寄せた米共和党のテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員は「非常に憂慮すべき」事態だとし、「グーグルとユーチューブはなぜ中国共産党に代わって米国人を検閲するのか? 間違っている」「IT大手は力に酔いしれている。シャーマン法(Sherman Act)は独占力の乱用を禁じている。司法省は今すぐ止めるべきだ」とツイートした。

 クルーズ氏の主張は、IT大手が保守派に偏見を持っており、独占禁止法違反で処分すべきだというホワイトハウス(White House)の根拠のない見解を踏まえたものとみられる。

 ユーチューブはAFPに対し、ポリシーは従来通りで変更はなく、フィルターは「スパム、憎悪、嫌がらせ」のみを削除するよう設計されていると説明した。さらにラッキー氏の苦情については、システムの「エラー」が原因と思われ、現在調査中と回答した。(c)AFP