【5月27日 AFP】女子テニスのペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)は26日、チェコの選手だけが出場する母国大会の1回戦でダブルスのスペシャリストであるバルボラ・クレイチコバ(Barbora Krejcikova)をストレートで下した。無観客で試合が行われる中、フェンスの後ろからのぞく小さなボールボーイがただ一人、クビトバが恋しく思うファンの声援という感触を味わわせた。

 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を2度制しているクビトバは、「それはしっかりとしたパッシングショットをダウンザラインに打った後だった」と振り返った。

「フェンスの近くに行くと、彼は『ナイスショット!』と言ってくれた。だから『ありがとう』と返した」

 一方でクビトバは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために厳格な衛生対策が取られているこの大会で、無観客の状態でプレーするのは「とても奇妙」な感じだと認めた。

「観客の存在はとても重要。私にとって原動力」と話した世界ランキング12位のクビトバは、やや重苦しかった会場の雰囲気について「とても奇妙な感じ。自分に励ましの声をかけたり、大声を出したりしようと何度も思ったけど、しないことにした」と続けた。

 コートのそばに座っていた友人の2人が何度か「急げ」と声を出したのに対し、コーチはクビトバの決まり文句として知られる「pojd(カモンの意)」を何度か控えめに発するにとどめた。

「少なくともコーチは私に拍手を送れたと思うのに、それもなかった。本当に異様だった」 (c)AFP