【5月27日 AFP】新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)の措置が引き続き取られているフランス東部ストラスブール(Strasbourg)で、サッカーの試合が許可なく行われていたことが判明し、深刻な被害が出ている同地域における感染再拡大につながるのではないかと懸念されている。

 ストラスブールのニューフ(Neuhof)地区とオーテピエール(Hautepierre)地区のチーム同士による一戦は、24日に地元のスタジアムで行われ、今なお続くウイルス対策の規制を無視して約400人が観戦に訪れた。

 フランスでは2週間前にロックダウンを緩和したが、集会の上限は10人のままとなっている。

 この試合の開催は多くの批判を招いており、市の職員であるセルジュ・エーラー(Serge Oehler)氏も「重い処分」を約束した。

 しかし市側は26日、検察が主催者の追跡を望んでいるものの、最優先は処分ではなく健康だと述べた。

 市の幹部職員であるジョジアンヌ・シュバリエ(Josiane Chevalier)氏は「われわれの最大の懸念は健康。捕まえることではない」とコメントし、観戦した人に検査を受けるよう求めた。

 観客は28日から市内にある欧州議会(European Parliament)に設置された検査センターに行くことが可能となる。検査は匿名で行われ、予約や事前の相談も必要ない。

 シュバリエ氏はテレビ会見で、ストラスブールに新たなホットスポット(一大感染地)ができることは絶対に避け、観客とその家族を守らねばならないと話した。

 ストラスブールは国内の流行に関して警戒度の高い「レッドゾーン」に指定されたままとなっており、東部地域はパリと並んで同国で最も深刻な被害が出ている。

 この試合に関与した逮捕者は現時点で出ていないが、警察は当事者の行方を追っている。(c)AFP