【5月27日 AFP】(更新、写真追加)各国で新型コロナウイルス対策の緩和が進み、経済活動が再開される中、イエス・キリスト(Jesus Christ)の生誕地に立つとされる聖誕教会(Church of the Nativity)や古代ローマの都市ポンペイ(Pompeii)の遺跡が、巡礼者や観光客の受け入れを再開した。

 パレスチナ自治区のベツレヘム(Bethlehem)では、2か月間以上にわたって閉鎖されていた聖誕教会が巡礼者らの受け入れを再開した。

 パレスチナのルーラ・マアーヤア(Rula Maa’yaa)観光・遺跡担当相は同教会の再開について、「この(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的な大流行)が収束するという希望を世界に示す」ものだと述べた。

 新型ウイルス感染拡大の懸念から、多くの国で観光業界が休止状態に追い込まれた。パレスチナ当局は先に、ベツレヘムに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を持ち込んだのはギリシャからの観光客グループだと発表していた。

 新型ウイルスが中国から欧州へと広がった後、世界の感染の中心地となっていたイタリアでも、ポンペイの遺跡が観光客の受け入れを再開した。ポンペイは西暦79年、火山の大噴火により破壊されたが、大量の火山灰に覆われたことにより、建物の多くがほぼ元の状態で保存されている。

 ただし、イタリアは来月まで外国人観光客の入国を禁止しているため、昨年400万人の観光客が訪れたポンペイは26日、まだ閑散としていた。

 約2か月にわたって電子的取引のみを行ってきた米ニューヨーク証券取引所(NYSE)も、トレーディングフロアでの取引を一部再開した。新型ウイルスに感染するリスクを減らすため、トレーダーの数を制限し、マスクを着用させた。(c)AFP/Musa Al-Shaer with AFP bureaus