【5月28日 Xinhua News】中国上海市の代表的な商業エリアではこのところ、「長蛇の列」が復活し、同市のビジネスが回復から新たな繁栄へと向かいつつある。

 上海で指折りの繁華街、淮海路(わいかいろ)に建つ「TX淮海」は、中国の小売り大手「百聯集団」と都市開発グループ「盈展(URF)」が運営する商業施設で、人気ブランドや外国ブランドの中国1号店、新規オープンの店が数多く入居している。その多くで「長蛇の列」が見られるようになった。

 中国内地に1号店をオープンしたばかりのチキンを中心とした米国ファストフード店「ポパイズ」や上海の有名老舗レストラン「人和館」の前には行列が長く続いている。その近くにある日本の有名ファッション・雑貨店「ニコアンド」は、平日の午後も多くの人でにぎわう。

 人気の日本料理店「築地海幸三代目」では客足が戻っている。店長の黄慶衛(Huang Qingwei)さんは、上海店は日本の有名な「築地青空三代目」の姉妹店であり、オープンして9年目だと説明。「5月以降、明らかな回復と上昇を感じており、売上高は昨年の同時期と比較して約20%増加している」と述べた。

 黄さんによると、築地海幸三代目は長年にわたり上海で月に1度のマグロ解体ショーを開催してきた。長崎から空輸した氷詰めの生鮮クロマグロを日本人の板前がさばいて刺身にするショーは感染症流行のため4カ月間中止が続いたが、「6月1日に再開の予定」だという。

 もう一つの繁華街、陸家嘴では百貨店「上海第一八百伴(ヤオハン)」に買い物客がひしめき、人々は店内で進行する12時間ライブ配信リレーイベントに見入っていた。配信中、百聯集団の徐子瑛(Xu Ziying)総裁も店内のイヴ・サンローランのメーキャップカウンターに設置された「パラシュートライブ配信ブース」に登場し、人気を博した。

 百聯集団の葉永明(Ye Yongming)董事長は、同グループは上海で2200店舗以上を展開しており、最近の売り上げは、感染症流行期間中と比較して伸びただけでなく、前年同期の水準をも上回っていると説明した。4月26日から現在までの累計売上高は50億元(1元=約15円)を超え、延べ3600万人以上の買い物客を集め、30万人以上の新規会員を獲得したという。(c)Xinhua News/AFPBB News