【5月26日 AFP】ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相の側近、ドミニク・カミングス(Dominic Cummings)首相上級顧問が新型コロナウイルス流行下での外出規制に違反したとされる問題で、スコットランド省のダグラス・ロス(Douglas Ross)政務次官が26日、抗議のため辞任した。この問題をめぐって政府内から初の辞職者が出たことで、首相にとっては痛手となる。

 政府関係者らは、4日間にわたって英政界を揺るがしてきたこの問題の幕引き狙うものの、ロス氏はその動きに待ったをかけ、カミングス氏が現職に留任すれば、自らの地元の有権者らに弁明できないと訴えた。

 ロス氏はツイッター(Twitter)上で辞意を表明した際、「私の地元には、愛する人々に別れを告げることができなかった有権者らがいる。共に死を悼むことができなかった家族がいる。政府の指針に従ったからこそ、病身の親類の見舞いに行かなかった人々がいる」と指摘。

「彼らは皆間違っていて、政府の上級顧問は正しかったとは、私は誠意を持って言えない」とした。

 さらにロス氏は、カミングス氏の政府勧告の解釈に「大多数の人々は共感していない」とも記した。

 カミングス氏は25日、記者会見を開き、新型ウイルスに伴う危機的状況の中、妻と幼い息子を連れ、首都ロンドンからイングランド北東部ダラム(Durham)まで車で425キロを移動したことを釈明した。しかしロス氏の辞任で、カミングス氏への圧力はさらに強まるとみられる。(c)AFP