【5月26日 People’s Daily】アフリカ諸国で新型コロナウイルス感染症が拡大する中、中国政府と医療専門家がテレビ会議を通じて、中国が感染症を抑制した経験を各国に伝えている。アフリカ諸国からは「経験の共有こそが感染症の克服につながる」と感謝の声が相次いだ。

 エチオピア疾病予防管理センターと中国の関係機関は最近、新型コロナウイルスの抑制や治療をテーマにしたテレビ会議を開き、アフリカからは22か国の医療従事者1600人が参加した。

 アフリカ疾病予防管理センター公共衛生研究所の責任者タジュディン・ラジー氏は「テレビ会議を通じてアフリカと中国が交流を深めることで、コロナウイルスに共同で立ち向かうことができる」と意義を強調。中国工程院副院長で呼吸器・緊急医療専門家の王辰氏(Wang Chen)と中日友好病院の孫陽(Sun Yang)院長らが中国での感染症防止の経過を説明した。各国の医師や研究者からは「感染源の調査はどのように行えばいいか」「医療従事者の健康を守る有効な措置は」「追跡調査にビッグデータをどのように活用すればいいか」と質問が相次ぎ、中国側の専門家が詳細に答えた。

 アフリカ疾病予防管理センター主任のジョン・ケンガーソン氏は「アフリカでは感染対策の準備が進んでいる。アフリカ連合(AU)加盟国のうち23か国では疾病コントロールの研修を終え、42か国では検査室診断の研修を済ませ、26か国では感染リスクの教育に関する研修を終えた。中国の支援で、検査キットの供給網も確立している」と報告した。

 発展途上国間の支援を促進する国連南南協力室の王暁軍(Wang Xiaojun)副主任は「ウイルスに対する有効な措置を取っている発展途上国が増えている。グローバルにウイルスを抑制するため、南南協力と多国間協力は極めて重要だ」と力説した。

 アリババグループ創設者の馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)氏が設立した馬雲公益基金会と阿里健康も活動の一翼を担っており、馬雲氏は「疫病、貧困、環境破壊は人類共通の敵だ。互いの相違を乗り越え、手をつないで問題を解決しよう」と呼びかけた。

 4月27日には、中国の外務省と国家衛生健康委員会がアフリカの20数か国と合同でテレビ会議「中国―アフリカオンライン・共にコロナに打ち勝つ」を開催。中国の専門家が新型コロナウイルスの感染メカニズムや抑制方法について各国に伝えた。

 ナイジェリアのオサジェ衛生大臣は「感染症を克服した中国の経験は非常に実用的だ。私たちはそれを手本として、一日も早く日常を取り戻したい」と話した。レソトのボゲレリ衛生副大臣は「中国は私たちに重要な経験を伝えてくれた。中国政府と民間団体は多くの医療物資も送ってくれた」と感謝した。

 ジンバブエ衛生省のマカラボ事務局長は「この会議で、アフリカ諸国がコロナウイルスに打ち勝つための得がたい経験を受け取ることができた。現場の医療スタッフたちと内容を共有し、我が国の医療水準と防疫能力を向上させていきたい」と語った。

 ブルキナファソの新型コロナウイルス救急チームのメンバーは「詳細で正確なデータや分析、生々しい具体例を聞くことができた。中国は一貫としてアフリカ諸国をサポートしてくれている。各国が共に努力して、ウイルスとの闘いに勝利したい」と表明。テレビ会議を通じて、中国とアフリカの絆をさらに強固にした。(c)People's Daily/AFPBB News