【5月26日 People’s Daily】最近開かれた「中国工業経済運行情勢フォーラム」での報告によると、中国で工業インターネットの市場規模は昨年、700億元(約1兆570億円)を突破した。企業や地域をリードする工業インターネットのプラットフォームは機械や電子など多くの分野で次々と誕生し、全国で80を数える。

 中国電子情報産業連合会専門家委員会の董雲庭(Dong Yunting)主任は「モノのインターネット(IoT)の構築とその利用は5Gネットワークの高速性にかかっている。計算速度と高速反応も5Gの低遅延性次第となる」と指摘した。新型コロナウイルスの流行以降、オンライン事務や遠隔医療などの新たな業態が増え、5Gネットワークの必要性はさらに明確となった。

 中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)、中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)、中国聯通(チャイナ・ユニコム、China Unicom)の三大事業者は4月下旬に第2期5Gインターネット整備を終え、年内には55万基地局を増設する計画だ。中国通信企業協会の武鎖寧(Wu Suoning)副会長は「5Gの整備を加速して社会の新たな原動力に転換させ、産業発展を実現させることが必要だ。その中でも、工業インターネットが5Gの未来を広げる主力とならなければならない」と強調した。

 董雲庭主任は「工業インターネットは製造業の供給チェーン、産業チェーンと全面的に接続することで、要素生産性を高め、生産コストを減らすことができる」と説明。その一方で「産業データ化の将来性と比較すると、依然として設備の接続能力が不足しており、データ管理ネットワークが遅れている問題がある」と指摘した。

 工業インターネットは人工知能(AI)やビッグデータ、5Gとともに社会を発展させる「新型インフラ」と呼ばれている。武鎖寧副会長は「工業インターネットと5G建設を共同推進するため、通信事業者は工業インターネットの促進を想定して新たな5G基地局を配置すること。また、製造業側も積極的に通信産業と連携し、新型インフラを加速させて社会の新たな原動力に転換することが必要だ」と訴えた。(c)People's Daily/AFPBB News