【5月26日 AFP】中国サッカー協会(CFA)は23日、かつてアジア王者にも輝いた甲級リーグ(2部)の遼寧宏運(Liaoning Hongyun)を含む計11クラブに対し、財政問題を理由にリーグからの退会を言い渡した。遼寧も後にこれを認め、ファンに謝罪した。

 同国スーパーリーグ(1部)では今月はじめ、天津天海(Tianjin Tianhai FC)が経営破綻しており、今回はかつての強豪である遼寧が同様に解散となった。

 北東部の瀋陽(Shenyang)市を本拠地とする遼寧は1990年にアジア王者となり、1980年代半ばから1990年代半ばにかけて国内リーグを席巻した。

 しかし、好況と不況が繰り返される中国サッカー界の性質を象徴するように、昨シーズンの甲級リーグで下から2番目の順位に沈んでいた遼寧は、新型コロナウイルスに伴う中断の影響もあってここしばらくは困難な時期を送っていた。

 リーグ側は遼寧や選手への給与が未払いになるなど資金難に陥っていた他の10クラブにプロリーグからの退会を言い渡し、遼寧もその後、発表文の中で経営破綻を認めた。

 遼寧は2015-16シーズン、米経済誌フォーブス(Forbes)が発表する資産価値ランキングで国内10位に入り、その額は6700万ドル(約72億円)だった。

 2016年には、1150万ユーロ(約13億5000万円)を支払ってドイツ・ブンデスリーガ1部のヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)からナイジェリア代表FWアンソニー・ウジャ(Anthony Ujah)を獲得していたが、翌年には2部降格が決まった。

 元会長の黄雁(Yan Huang)氏 によれば、昨年の給料を一切受け取っていない選手たちは、それを回収すべく法的措置に出ているという。(c)AFP