【5月26日 AFP】ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相の側近、ドミニク・カミングス(Dominic Cummings)首相上級顧問が新型コロナウイルス流行下での外出規制に違反したとされる問題で、カミングス氏は25日、自身への辞任要求を拒否した。

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 カミングス氏は、英国で最も厳しいロックダウン(都市封鎖)措置が課され、政府が国民に自宅待機を求めていた時期に、妻が新型ウイルス感染症を発症。さらに自身にも症状があったにもかかわらず、夫婦そろって車で長距離を移動し、両親の家に幼い息子を預けていた。

 自身初の記者会見を開いたカミングス氏は、緊張した様子をみせながらも、自身は「合理的かつ合法的に」行動したと言明。謝罪はしなかった一方で、当時新型ウイルスに感染し入院していたジョンソン氏に移動の許可を求めなかったことに後悔の念を示した。

 英国では、新型ウイルスの感染によりこれまでに3万7000人近くが死亡。カミングス氏の行動は政府の対策を損なうものとして批判されており、約1年前に発足したジョンソン政権で最大の政治スキャンダルとも言える問題に発展している。(c)AFP/Dmitry ZAKS