【5月25日 AFP】中国の輸出企業は、新型コロナウイルスの影響を受けて世界中の取引先から出荷のキャンセルや返品が相次ぎ、新たな注文も不足する危機に直面していることから、国内消費の促進を目指す動きを加速させている。

 中国のネット通販サイト「淘宝(タオバオ、Taobao)」によると、海外取引を専門としてきた企業がこの国内向けのサイトに出店する数は、2月から今月にかけて160%急増したという。

 鍾山(ショウ・ザン、Zhong Shan)商務相は先週、記者団に対し、輸出関連企業の国内売上高は先月17%増加しており、政府は海外向け販売に特化する貿易企業の国内市場進出を支援していると述べた。

 ある玩具メーカーでは、以前は海外での売り上げが50%近くを占めていたが、新型コロナウイルスの流行後はわずか5%に激減。同社の経営者はAFPに対し、最大の輸出先であった欧米からの注文は今や「微々たるものと言える」と話した。

 またある台所用品メーカーの代表取締役は、米中貿易戦争が始まり米国が中国製品に関税を課した2年前にも、国内市場への進出を検討していたと述べ、新型コロナウイルスの世界的な大流行により「この計画に拍車が掛かった」と述べている。(c)AFP/Beiyi SEOW