【5月25日 Xinhua News】中国福建省(Fujian)竜岩市(Longyan)連城県(Liancheng)には、客家(はっか)の人々の間に受け継がれてきた「客家青獅」と呼ばれる獅子舞がある。連城青獅ともいい、370年以上の伝統を持つ。客家は古代に中原(黄河中・下流域)の戦乱を逃れ、南に移住したとされる漢民族の末裔(まつえい)を指す。彼らの民俗文化で青獅は家屋の邪気をはらう瑞獣(ずいじゅう)とされており、2016年に同市の第6次無形文化遺産に登録されている。

 同県の客家の人々は、今でも新年や婚礼、開業祝い、新居への引越しの際に青獅子を招き、興を添える。

 同県隔川郷の黄建中(Huang Jianzhong)さん夫妻は客家青獅制作の代表的伝承者で、明末清初の初代、黄観傑(Huang Guanjie)から数えて12代目となる。 

 客家青獅の容貌は独特で、緑色を基調にしており、手作業による伝統的技術は確かな美術的基礎に裏付けられている。獅子の制作には希土選びから型作り、紙貼り、絵付け、さらに舌やたてがみ、胴体や尾の制作など数十の工程が必要で、完成まで約1カ月かかる。

 隔川郷隔田村を発祥の地とする客家青獅は、中国拳法の一流派「連城拳」の重要な構成要素としての特色も持つ。連城拳は中国に現存する129種類の拳法の一つで、2009年に同省の無形文化財に指定されている。(c)Xinhua News/AFPBB News