【5月25日 AFP】米フロリダ州の連邦地方裁判所は24日、元受刑者の選挙権回復に当たって裁判費用と罰金、賠償金の返済を義務付けた州法について、違憲との判断を下した。同州は米大統領選の結果を左右する接戦州で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の再選のカギを握る。

 共和党議員らの賛成で昨年可決された州法は、元受刑者が投票権を回復するためには裁判所に対する負債を完済しなければならないと定めている。だが、この条件は多くの元受刑者にとって、不可能とまではいえないが困難なものだ。元受刑者の多くは貧しく、黒人やラテン系など非白人率も高いため、州法は反マイノリティー的だとの指摘がある。

 ロバート・ヒンクル(Robert Hinkle)判事は、州法によって投票権を回復できずにいる元受刑者は100万人近くに上る可能性があると指摘。「投票資格があるのに請求された額をどうしても支払えない個人に適用される点で、この制度は違憲だ」との判断を下した。

 今回の訴訟は、元受刑者17人が人権団体を通じて起こし、ビデオ会議システムを用いて公判が開かれた。判決は州内の元受刑者全員に適用されるため、多くの元受刑者に11月の米大統領選で投票する道が開かれたことになる。

 ただし、共和党のロン・デサンティス(Ron DeSantis)州知事は、判決に不服なら上訴できる。(c)AFP