【5月25日 People’s Daily】「中国国内の新型コロナウイルスの感染状況が楽観できないとき、貴学院はマスク5200枚と非接触型体温計をわが校に送ってくれた。心から感謝します。私たちは貴学院が周総理の偉大な精神を受け継いでいると深く感じます。学生たちの安全を守るにあたり、これ以上のものはありません。大切に使います」。4月21日、中国・江蘇省(Jiangsu)淮安(Huaian)の恩来幹部学院に日本の創価大学の田代康則理事長、馬場善久学長から礼状が届いた。

 創価大学と恩来幹部学院は友好関係にある。仲を取り持ったのは周恩来(Zhou Enlai)総理だった。1974年12月、周総理は訪中した創価学会会長であり、創価大学創始者の池田大作氏と会見。翌年、創価大学は新中国成立後第1陣となる中国人留学生を受け入れた。両国の学生は一緒に桜の苗木を植え、「周桜」と命名した。創価大学は毎年、「周桜」の観桜会を開き、周総理を回想するとともに、中日両国の友好を祈った。

 両校の間でも交流が行われ、お互いに関心を抱き、励まし合ってきた。

 新型コロナの感染が広まるなかで、1月22日と2月7日、恩来幹部学院は相次いで、創価大学からお見舞いの手紙を受け取った。手紙は中国での感染症拡大を心配し、教員・学生の健康を祈るものだった。

「お見舞いの手紙をもらい、とても感動した」と語るのは恩来幹部学院の黄桂林(Huang Guilin)副院長。返事の手紙で、国内の防疫活動の状況を紹介するとともに、日本の生駒市、柏崎市など友好都市から贈られた防疫物資を受け取ったときの気持ちもつづった。

 2月下旬以降、日本で感染症が拡大、恩来幹部学院は創価大学でマスクや非接触型体温計が不足していることを知った。休校が明けた初日の3月12日、学院は特別会議を開き、創価大学に贈るものがないかを検討。「われわれはいろいろなルートで、使い捨てマスク5000枚、KN95マスク200枚と非接触型体温計4個を集め、日本に贈ることにした」と黄副院長。

 これらの物資は3月20日、四つに分けて日本に発送された。最後の一つが創価大学に届いたのは4月9日。創価大学の北京事務所員の上野理恵さんは「物資はとても役に立った」と語った。(c)People's Daily/AFPBB News