【5月25日 Xinhua News】中国青海省(Qinghai)の「三江源国家公園」が年内にも国内初の国立公園に指定されることが分かった。三江源は同省南部の青蔵高原(チベット高原)の奥地にあり、長江(揚子江、Yangtze River)、黄河(Yellow River)、瀾滄江(Lancang River)の源流を抱く。2003年1月に国家級自然保護区が設立され、16年から国立公園としての管理運営体制を確立するための試行的な取り組みが行われている。同園管理局の赫万成(He Wancheng)局長が20日、明らかにした。

 同省は9日に「三江源国家公園の設立を推進する業務計画」を発表し、国立公園に指定されるまでの準備作業に関する具体的なスケジュールや方針を示した。

 三江源は古来、緑や水が豊かで美しい場所として知られる。中国の生態系を守る重要な「バリア」の役割を担い、多様な生物が生息し、湖が多く、良好な生態系が維持されてきた。ところが、20世紀後半になると、気候変動や人間活動によって、生態系機能が低下し、湖の減少や氷河の縮小、草原の劣化、生物多様性の減退が深刻化した。

 21世紀に入り、党中央委員会や国務院が大局的な視野に立ち、時勢の変化を踏まえ、「三江源国家級自然保護区」を設立。総面積39万5千平方キロにわたる「青海三江源国家生態系保護総合試験区」も建設し、三江源の生態系の本格的な保護に乗り出した。その後、生態系が大きく改善されたことを受け、国家発展改革委員会が18年1月に「三江源国家公園全体計画」を出し、20年中に国立公園に指定すると発表した。

 赫氏は、国立公園の建設を加速させるという党中央委員会と国務院の決定に従い、年内に管理運営体制の試行を終了させ、取り組みを総括し、科学的な生態系の保護管理体制を確立すると説明。人と自然の調和の取れた発展モデルの形成を図り、三江源の重要な自然資源を「国が所有し、国民全員で分かち合い、後世に伝える」ため、国の重要な生態系を守る「バリア」を築くとともに、世界の生態系保全にも貢献したいと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News