【5月23日 AFP】米ニューヨーク州郊外で21日、ビデオ通話サービス「ズーム(Zoom)」で約20人と会議中だった父親が息子に刺殺される事件が発生した。

 事件が起きたのは、同州マンハッタン(Manhattan)より約65キロ東方に位置する町アミティビル(Amityville)。同町は、その名を用いた1979年刊行のホラー本シリーズ「The Amityville Horror(邦題:アミティヴィルの恐怖 全米を震撼させた悪魔の家 ドキュメント)」や、それを原作とした映画で特に知られている。

 ニューヨーク州ロングアイランド(Long Island)サフォーク(Suffolk)郡警察によると、ドワイト・パワーズ(Dwight Powers)さん(72)が21日正午ごろ、ズームでビデオ会議に参加していたところ、息子のトーマス・スカリーパワーズ(Thomas Scully-Powers)容疑者(32)が現れ、パワーズさんを殴り始めた。

 恐ろしい出来事を目の当たりにして、複数の会議参加者らは当局に通報。警察が現場に到着すると、スカリーパワーズ容疑者は徒歩で逃げようと2階の窓から飛び降りた。その後、近くの食品店に駆け込み、血を洗い流すために炭酸飲料のドクターペッパー(Dr. Pepper)を自分自身にかけ始めたとみられている。警察は付近でその後、容疑者を逮捕したという。

 サフォーク郡検視官によると、パワーズさんの胸や背中には複数の刺し傷があり、首は深い切り傷によってほぼ切断された状態だった。

 ズームでのビデオ会議中に殺人事件が発生したのは初とみられている。同サービスは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)期間中に課せられた隔離措置により、在宅を余儀なくされた人々の間で人気が急上昇している。(c)AFP/Maggy DONALDSON