【5月23日 AFP】中国が香港での民主化運動を抑制するための「国家安全法」を導入する方針を示したことを受け、西側諸国から22日、非難の声が上がった。

 同日に開幕した中国の全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)で、国家安全法の香港への導入を検討する議案が提出された。米国はこの動きを直ちに非難。香港の民主派勢力は、香港独自の自由に対する死刑宣告に等しいと反発した。

 香港では昨年、時に暴力を伴う大規模な民主派の抗議デモが7か月続いた。これを受け中国は、国家安全に関する新たな法律の制定を望む姿勢を明確にしていた。

 この議案は全人代で28日に採決される見込みで、香港の国家安全に関する法律を、香港行政府ではなく中国の議員らが直接整備する権限を持つことになる。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は、「中国が香港に約束した高度な自治の終わりの前兆」だとして、中国にこの「破滅的な提案」を再考するよう要請した。

 欧州連合(EU)は「香港の高度な自治の維持」を求めると表明。英国、オーストラリア、カナダの3か国の外相は共同声明で、この提案に「深刻な懸念」を抱いているとし、香港市民や議会の直接的な参加なしにこうした法律を成立させることは、「一国二制度」の原則を弱体化させると述べた。(c)AFP/Leo RAMIREZ