【5月22日 AFP】スリランカのコロンボ(Colombo)で21日、900円弱の現金配布に市民らが殺到し、転倒して押しつぶされた女性3人が死亡した。同国では、新型コロナウイルス抑制のための都市封鎖(ロックダウン)措置で経済が壊滅的な打撃を受けており、市民らは生活に困窮している。

 地元議員のムジブル・ラーマン(Mujibur Rahman)氏によると、毎年イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」期間中に現金を配布している実業家の男性がおり、当時は男性が所有する倉庫前に1000人前後が列をつくっていた。

 配布額は1500スリランカ・ルピー(約870円)で、労働者の日給に相当する。ラーマン氏がAFPに語ったところによると、門が開くと人々が殺到し、列を崩して中に入ろうとする人がいたという。

「その時、列の先頭にいた女性3人が倒れ、押しつぶされて死亡した」とラーマン氏は説明した。この他に重傷者9人が病院に搬送された。

 この現金配布は何十年も前から行われており、ラーマン氏によれば、今年は例年よりも大勢の人々が集まっていたという。

「(3月20日に開始した)新型ウイルスのロックダウンのため、人々は2か月間ほど無収入だ」とラーマン氏は述べた。

 コロンボ警察本部長は記者団に対し、実業家と手伝いをしていた5人について、ロックダウンの規則に違反した容疑で拘束したと明らかにした。(c)AFP