【5月24日 CNS】中国・広東省(Guangdong)東莞市(Dongguan)に住む穆さんは最近、子どものショートムービー遊びで周囲を騒がせ、夜も眠れない。先月9日以来、穆さんの娘の芸ちゃん(仮名)が、あるショートムービーアプリにのめり込み、1か月もたたぬうちにライブ・キャスターに「プレゼント」を贈り、「コスチューム(衣装)」を購入するなど、4万元(約60万円)を超える金額を使ってしまった。

 アプリのプラットフォーム側からは、メールで「本件は、保護者と話し合い中です。保護者の方には調査のため、有効な情報を提供いただくようお願いしています。今後も未成年者との意見交換を続け、早急に処理を進めます。行為能力のない未成年者が、監督管理者のいない状況で行った『ご褒美』や『チップ』については、確認が取れれば返金いたします」との回答が寄せられている。

■ひと月で4万元使ったことを認めた娘

 記者は19日、東莞市塘厦鎮(Tangxia)の小学校の校門前で、穆さんとその娘で現在10歳の芸ちゃんと会った。穆さんの話によると、2か月前に娘のためにIpad(アイパッド)を購入し、自宅でオンライン授業を受けさせた。特に異常な様子は見られなかったが、4月29日午後になって穆さんの銀行口座の残高確認をしたとき、異常に気付く。

「口座の残高は元々4万元(約60万円)余りありました。友人から4万元を送金したとの連絡があったので、合わせて8万を超えていなければおかしいのに、残高は4万ちょっとしかなかったのです」――穆さんは銀行に行き、口座の入出金記録を確認すると、送金された4万元はたしかに入金されていたが、よく見ると、その入金の前にもともとあった4万元余りは、数回に分けて引き落とされていた。4月9日以降、一回での引き落とし金額は最大1688元(約2万5600円)、最小で30元(約460円)だった。

 銀行職員から「この引き落としはスマホの操作によるものですね」とアドバイスを受け、穆さんは自身の微信(ウィーチャット、WeChat)と支付宝(アリペイ、Alipay)の記録を確かめると、支払額はゼロだった。

 穆さんは、娘も微信のアカウントを持っていることを思い出す。娘は穆さんの銀行口座とバインドし、カードのパスワードも知っていた。母親に問いただされた娘は、最後に自分がお金を使ったことを認める。娘が自分で登録したアプリのアカウントには、娘が行った取引の記録が残されていた。4月の支払金額は4万3413元9角(約65万8200円)、収入は22元8角(約346円)で、相殺すると収支合計4万3391元1角となり、穆さんの銀行口座の中の支出額と一致した。

「私の娘は未成年です。娘は訳も分からず誘導されて4万元を消費させられたのです」と話した穆さんは、警察からのアドバイスを受け、ショートムービーのプラットフォーム側に対して返金を求めている。4月30日以来、相手側から要求された出生証明書、メール記録、取引記録などの資料を提出したが、プラットフォーム側から具体的な処置案の提示はいまだにない。(c)CNS-羊城晩報 /JCM/AFPBB News