【5月23日 CNS】中国・重慶市(Chongqing)公安局渝中区(Yuzhong)分局は19日、高級時計の特大偽造事件を摘発したことを明らかにした。容疑者11人を逮捕し、ブランド高級時計1500個を差し押さえ、被害額は3000万元(約4億5500万円)に上る。

 同局の経済犯罪捜査隊は、北京のある企業から通報を受けて捜査を開始し、同企業傘下のネット通販プラットフォーム上の舶来品専門店2店が販売する高級時計「アルマーニ(Armani)」や「ディーゼル(Diesel)」が偽物であることを突き止めた。

 詳細な捜査で判明したのは、容疑者らは2017年から深セン市(Shenzhen)、広州市(Guangzhou)などから「アルマーニ」や「ディーゼル」などの偽物の高級時計を仕入れ、ネット通販のプラットフォーム上の「舶来品専門店」などと称する店舗経由で販売した。また、腕時計の化粧箱や宅配便伝票などを偽造するなどして、顧客に商品が香港から発送されたと錯覚させ、顧客をだました。事件摘発までに犯罪者グループが販売した偽時計の金額は累計で3000万元を超える。

 犯罪事実を確認後、捜査チームは3手に別れ、重慶市の渝中区、九竜坡区(Jiulongpo)と広東省(Guangdong)東莞市(Dongguan)の3か所で同時に摘発を行い、容疑者9人を逮捕、「アルマーニ」や「ディーゼル」などの偽物腕時計1500個、金額にして300万元(約4550万円)を差し押さえた。また、集中尋問により、さらに容疑者2人を追加逮捕した。

 捜査隊の馮一(Feng Yi)副隊長によると、これらの偽造時計は世界の著名ブランドの中級品を対象としており、単価はあまり高くなく、一般大衆の消費能力に範囲内であるため、販売数が特に多いという。偽物高級時計のネット上の販売価格は、1000元(約1万5000円)前後から6000元(約9万1000円)くらいまでの範囲で、基本的に本物価格より若干低めの価格を付けて販売されていた。

 警察が差し押さえた偽物時計の中には、化粧箱の中にバラを入れてあり、「5.20販売キャンペーン」用として準備された商品だった。警察の摘発のタイミングが良く、多くの顧客が被害を免れたとされる。

 この事件は現在も捜査継続中だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News