【5月21日 AFP】米国は20日、中国とインドの国境で発生した小規模な衝突について、現状変更に向けて利用しているとして中国を非難し、インドに抵抗を促した。

 アリス・ウェルズ(Alice Wells)国務次官補代行(南・中央アジア担当)は、ヒマラヤ(Himalaya)地域の小競り合いの増加を、領土紛争が絶えない南シナ海(South China Sea)で中国が長年にわたり影響力を強めてきたことになぞらえた。

 ウェルズ氏は米シンクタンク、大西洋評議会(Atlantic Council)に対し、「中国による侵害が言葉の上だけのものという思い違いをしている人がいれば、インドと話す必要があると思う」「南シナ海に目を向ければ、中国の作戦行動のやり方が分かる。それは規範と現状の変更に向けた絶え間ない侵害、絶え間ない試みだ」「これには抵抗しなければならない」と述べた。

 中国は、インドが支配する領域約9万平方キロに対する領有権を主張している。

 国務省からの退職を控えるウェルズ氏は、米国はインド側の主張を支持すると改めて表明し、中国とインドの両政府に対し、問題を外交的に解決するよう促した。(c)AFP