【5月21日 AFP】日本で昨年12月、保釈中だった日産自動車(Nissan Motor)前会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告が国外に逃亡した事件で、米当局は20日、逃亡を手助けしたとされる親子を逮捕した。

 逮捕されたのは、元米軍特殊部隊員で警備請負業者のマイケル・テイラー(Michael Taylor)容疑者(59)と、息子のピーター・テイラー(Peter Taylor)容疑者(27)。日本当局は両容疑者について、同国への身柄引き渡しを求める逮捕状を出していた。

 裁判所に提出された文書によると、両容疑者は日本時間の21日午前4時半、マサチューセッツ州の連邦裁判所にビデオ会議を通じて出廷する予定。

 検察当局は文書の中で、両容疑者は国外逃亡の恐れがあり、日本からの正式な身柄引き渡し要請があるまで拘束下に置く必要があるとしている。

 司法省関係者がAFPに語ったところによると、両容疑者はマサチューセッツ州ハーバード(Harvard)で20日午前、身柄を拘束された。ピーター容疑者は、ゴーン被告の逃亡先であるレバノンに向けて出発する準備をしていた。日本は米国との間で犯罪人引き渡し条約を結んでいるが、レバノンとは締結していない。

 両容疑者は12月29日、レバノン国籍のジョージ・ザイエク(George-Antoine Zayek)容疑者と共に、ゴーン被告の日本出国を手助けした疑いが持たれている。ゴーン被告は当時、金融商品取引法違反などの罪を問う公判開始に先立ち、保釈中の身だった。

 米裁判所の文書によると、3容疑者はゴーン被告を音響機器運搬用の大型ケースの中に入れて隠し、プライベートジェットに運び込む手助けをした容疑が掛けられている。当時は、プライベートジェットに持ち込まれる荷物は検査対象外とされていた。(c)AFP