【5月20日 AFP】新型コロナウイルス対策で外出制限が続くオーストラリアで、人気のある子犬の販売を装い、孤独を感じる人々から金をだまし取るオンライン詐欺が横行しているとして、当局が警戒を呼び掛けている。

 競争・消費者委員会(ACCC)によると、新たなペットを希望する人々を標的とした詐欺による被害総額は、先月だけでおよそ30万豪ドル(約2100万円)で、通常の月の平均の5倍を上回ったという。

 ACCCのデリア・リッカード(Delia Rickard)副委員長によると、犯人らは外出制限で直接犬を見に行けない現状に付け入り、輸送費として前払いを要求。「不運なことに、支払いが済んだ途端に、販売者があらゆる連絡を断つ」というのが手口だという。

 ACCCによると、人気が最も高いのは、カブードルやフレンチブルドッグといった犬種だという。

 リッカード氏は、「愛らしい犬の写真にだまされないように。値段が安過ぎる気がしたら、(詐欺の)可能性が高いと覚えておいてほしい」と警鐘を鳴らしている。

 子犬販売詐欺の被害は、今年1〜4月だけで昨年全体の被害額とほぼ同額となっている。また同国における新型コロナウイルス関連での詐欺被害総額は、今年に入ってからこれまでに70万豪ドル(約5000万円)に上っている。(c)AFP