【5月20日 AFP】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)はこのほど、排ガス不正問題いわゆる「ディーゼルゲート」をめぐり、幹部2人への訴訟手続きを終わらせるため900万ユーロ(約11億円)を支払うことで検察と合意したと発表した。

 VWのヘルベルト・ディース(Herbert Diess)グループ取締役会会長とハンス・ディーター・ペッチュ(Hans Dieter Poetsch)監査役会会長は昨年9月、2015年に発覚した排ガス不正問題の公表を意図的に遅らせ、株価に影響を与えた相場操縦の罪で起訴されていた。

 同社は今回、1人450万ユーロ(約5億3000万円)を支払うことで合意。また、2人による会社に対する義務違反はみられなかったとしている。

 VWをめぐっては、性能試験で有害物質の排出量を少なく見せかける装置を全世界で約1100万台のディーゼル車に搭載していたことが、2015年に明らかになった。同社製の車の所有者が賠償金の支払いを求め集団訴訟を起こすなど、排ガス不正問題によりかつてはドイツ自動車産業の誇りといわれたVWは、存続の危機に追い込まれた。(c)AFP/Yann SCHREIBER