新型コロナに関連? 子どもの謎の疾患が急増
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【5月22日 AFP】欧米でここ数週間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連するとみられる子どもの重度の免疫異常が急増している。
これまでにこの症候群で死亡した子どもは、米ニューヨークで3人、フランスと英国で1人ずつの少なくとも5人おり、さらに少なくとも別の2人の死亡もこの症候群によるものと疑われている。
■新型コロナとの関連は?
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は今月上旬に行われたオンライン記者会見で、「初期の報告では、この症候群は新型コロナウイルス感染症に関連している可能性があるとの仮説が立てられていた」と述べ、「この子どもの症候群の理解を深める」援助を世界の臨床医学者らに求めた。
フランスの国立保健監視機関は、関連している確率は「非常に高い」との見方を示している。
専門家らは、新型コロナウイルスは免疫系に激しい反応を引き起こし、免疫系がウイルスに感染した子どもの体内組織および臓器を守るのではなく、むしろ敵対するようになると考えている。
米ニューヨークにあるコーエン小児医療センター(Cohen Children’s Medical Center)のサニル・スード(Sunil Sood)小児科医師はAFPの取材に「子どもらは以前にウイルスにかかったが、体がそれと闘って追い出した」「だが今起きているのは、遅れて現れた過剰な免疫反応だ」と説明した。
■症例数は?
欧州疾病予防管理センター(ECDC)は15日、欧州ではいわゆる小児発症性多系統炎症症候群(PMIS)と疑われる14歳以下の子どもの症例が約230件見られると発表した。
英医学誌ランセット(The Lancet)に先週掲載された研究論文によると、イタリア北部ベルガモ(Bergamo)の医師らは、幼い子どもの重度炎症性疾患の発生数が30倍に増加したと報告している。
米国ではニューヨーク州で100件を優に超える症例が確認されており、保健当局はこの謎の疾患に警告を発している。