【5月20日 AFP】インドネシア当局は19日、密猟の犠牲になったとみられるスマトラトラの死骸を見つけたと発表した。当局は、絶滅の危機にひんするスマトラトラの個体数減少に警鐘を鳴らしている。

 18か月の雄のスマトラトラの死骸は、スマトラ(Sumatra)島リアウ(Riau)州のパーム・プランテーションで片足がわなにかかった状態で見つかり、腐敗が進んでいた。

 地元の自然保護局長は「発見された時、すでに死んでから数日がたっていた」とし、「われわれは、トラが意図的に殺されたと結論づけた。なぜなら密猟者はトラをおびき寄せて殺すために、わなにブタの死骸をくくりつけていたからだ」と説明した。

 密猟者は毛皮目的でスマトラトラを殺すことが多い。野生動物の取引を調査・監視するNGO「トラフィック(Traffic)」によれば、スマトラトラの死のおよそ80%は密猟が原因だという。

 野生のスマトラトラの個体数は、現在400頭以下まで減少しているとみられている。(c)AFP