【5月20日 AFP】イスラエルの研究チームは19日、エルサレム(Jerusalem)旧市街(Old City)の「嘆きの壁(Western Wall)」に面する広場の地下に、岩盤を削って造られた用途不明の三つの部屋が見つかったと発表した。

 地下室は、2000年前に第2神殿(Second Temple)が立っていた場所の近くにあり、イスラエル考古学庁による調査に参加した兵役前のイスラエルの学生らが、約1400年前のビザンツ(Byzantine)帝国時代の壮麗な構造物を発掘していたところ発見された。

 過去数千年にわたり人が住んでいた他の場所と同様に、エルサレムには古い時代の建物を完全に取り除く手間をかけず、その上に新しい建物が造られてきた。その結果、何層もの考古学的遺物が埋まっている所がある。

 学生たちは、ビザンツ帝国時代のモザイクの床の下にある岩盤に突き当たった。しかしさらに発掘を進めたところ、研究者らは「大きな驚き」に打たれたと、この発掘の共同監督、バラク・モニッケンダムギボン(Barak Monnickendam-Givon)氏は話した。

 同氏はこれらの部屋は古代ローマ時代初期にまでさかのぼるもので、このような構造物は当時のユダヤ人都市では珍しかったと指摘した。

 地下室は、ローマ人が西暦70年に破壊した第2神殿があった「神殿の丘(Temple Mount)から約30メートル」の場所で見つかり、精巧な彫刻や照明用の多数のオイルランプなどを置いていた壁のくぼみがあるという。

 見つかった部屋の用途はまだ特定されていないが、モニッケンダムギボン氏は、「日常の食事作りに使われた調理用の容器やオイルランプ、小麦や大麦、オリーブ油の保存に使われた容器」が見つかったが、神殿そのものと強い関連を示すものは発見されていないと指摘。破壊されてしまった建物の地下食料庫、あるいはエルサレムの聖職者や神殿を訪れた巡礼者らのための食事を作る場所だった可能性もあると語った。(c)AFP