【5月20日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)がポーランドに設置したアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所の修繕・修復工事で、煙突の煙道の下に隠されていたスプーンやフォーク、靴直し職人の道具などが見つかった。一部は脱走を計画するために使われたとみられている。

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「国家社会主義の犠牲者のためのオーストリア国立基金(Austria's National Fund for Victims of National Socialism)」の19日の発表によると、これらの品は同収容所メインキャンプの第17ブロックで先月発見されたもので、ナイフやかぎ針、はさみ、革、靴の一部などもあった。

 展示会の準備としてこのブロックの修繕・修復作業を委託していた同基金のハナ・レッシング(Hannah Lessing)事務局長は19日、「ナチス・ドイツ親衛隊(SS)の目を逃れていたこれらの道具類は、おそらく靴職人が使っていたか、脱走の準備、あるいは単に生活のために使われていたのだろう」とAFPに語った。

 第17ブロックには家内労働者が収容されていた。同基金の構造コンサルタント、ヨハネス・ホフマイスター(Johannes Hofmeister)氏は同基金のプレスリリースで、「煙突掃除人が収容されていたまさにその建物の煙突が、これらの品の隠し場所とされたのは偶然ではない」と指摘した。

 発見された品々は2021年に予定されている展示会には出展されないが、すでにアウシュビッツ・ビルケナウ博物館(Auschwitz-Birkenau museum)に引き渡されており、そこで保管される。(c)AFP